横から見た背骨には、ゆるやかなカーブ(弯曲)があります。
このカーブは体の重さを分散し、衝撃を吸収する「バネ」のような働きをしており、
体への負担を軽くするうえで欠かせないものです。
しかし日常生活の中で、この自然なカーブを保つことは意外と難しいもの。
お腹を前に突き出して腰の反りが強くなったり、
長時間のデスクワークで腰を丸めて座ってしまったり──
誰にでも姿勢の“癖”があります。
腰痛の多くは「圧迫」が原因
本来のカーブから外れた背骨には、負担が集中します。
その結果、骨と骨の間にあるクッション(椎間板)が圧迫され、
痛みや違和感といった症状が現れます。
腰痛にはさまざまな診断名がありますが、
実際のところ多くはこの「圧迫」が関わっています。
つまり、腰痛を防ぐためには “圧迫を減らすこと” が第一のポイントです。

圧迫を減らす2つのアプローチ
圧迫を軽くするには、主に次の2つの方向からアプローチできます。
- 背骨のカーブを本来の形に戻すこと
- 腰まわりを筋肉で支えること
このうち、自分で取り組みやすいのは②の「筋肉で支える」方法です。
ここで大切なのが、腹横筋(ふくおうきん) という筋肉。
腰をぐるりと包むように位置しており、まるで“体の内側にあるコルセット”のような役割を果たします。

腹横筋を鍛えるエクササイズ
腹横筋を使うと、背骨を内側から締めて支えることができます。
そのため、腰の歪みを軽減し、姿勢も安定します。
また、腹式呼吸やくしゃみのときにも働く筋肉なので、呼吸とのつながりも深いです。

- 仰向けに寝て、両膝を立てます。
- 腰と床の間にあるすき間(☆)を確認します。
- 息を長く吐きながら、腰を床に押しつけてそのすき間をつぶします。
このとき、図のように骨盤が回転するのを感じられたらOK。 - 息を吸いながら元の姿勢に戻します。
- 呼吸に合わせて、1~2分ほどゆったりと繰り返します。
💡ポイント
・お腹をへこませるのではなく、呼吸と骨盤の回転で“自然に締まる”感覚を意識しましょう。
・力を入れすぎず、腰やお尻を硬くしないのがコツです。
このエクササイズの良いところ
- 腰に負担をかけずに腹横筋を鍛えられる
- 腰の関節が動き、まわりの筋肉がほぐれる
- 腹式呼吸の練習にもなる
まとめ
腰痛対策の基本は、「支える力」を取り戻すこと。
腹横筋を意識して動かすことで、
体の内側からやさしく腰を守る“自前のコルセット”ができあがります。
日常の中に少しずつ取り入れて、無理なく続けてみてください。
生活から体を見直すならこちらもおすすめ
歩き方ワークショップ


