コーヒー豆レビュー(東ティモール エルメラ レテフォホ ゴウララ)

東ティモール エルメラ レテフォホ ゴウララ

クッキリ鮮明な果実味。ナッツのような香り。

久々に眼鏡をかけて、見た景色の輪郭の鮮明さに驚かされたことが何度かあります。その驚きと同じような感覚を舌で感じました。コーヒーという飲み物のことを全く知らないとしても、「これは何でできているんだろう?」と迷うことはなく、「フルーツ」と即答できる鮮明さ。雑味のないクリアの中にクッキリと果実を見ることができます。

味わいのバランスは絶妙。香りはナッツのようで硬質。吹き上がってくるような押しつけがましさはないので上品。ちょっと高貴な気分で楽しむには最適なコーヒーです。ブルーマウンテンよりこっちが好き。

※おすすめのハイロースト(やや浅煎り)の感想です。

生豆資料

生産地:東ティモール エルメラ県 レテフォホ郡 ゴウララ村
標高:1,450m以上
収穫期:5月-9月(乾季)
品種:在来種(ティピカ、他)
精製:ウォッシュド
土壌:赤土(テラローシャ)
シェードツリー:モクマオウ
収穫:完熟豆の手摘み
乾燥:天日干し

東ティモールのコーヒーについて

何もないところに、全てある。新しい国の挑戦。

インドネシアから勝ち取った独立で、東ティモールはアジアで最も新しい国になった。が、それは最も貧しい国からの始まりでもある。そんな中、外貨を獲得する唯一の作物はコーヒー。赤道付近、インドネシアの東にあるその気象条件はコーヒーの生産に最適。人口の4分の1がコーヒー生産者と言われている。

特筆すべきは、貧しさのため、お金のかかる化学肥料や農薬がこの国には持ち込まれず、完全にオーガニック。コーヒーは無農薬だがシェードツリーには農薬をかける、みたいなことが多い中、この様な環境は大変貴重。何もないところは、何もない価値がある。

インドネシアの前はポルトガルの植民地であった東ティモールは、同じく植民地であったブラジルから総督により持ち込まれたのがコーヒーの始まりとされる。その品種改良がされていないティピカ種、これも貴重だ。

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