コーヒー豆レビュー(インドネシア スマトラ マンデリン リントン)

インドネシア スマトラ マンデリン リントン

深い苦み。溢れるハーブ感。キレの良い後味。

しっかりとした味わいでコーヒーを飲んでるっていう充実感がすごいです。他では味わえない深い苦み。ハーブ感溢れる香りは勢い良く成長するグリーンのよう。なかなか刺激的。また飲み進めると感じてくる甘さが程よく、その苦みや香りをゆったり包み込んで心地よい気分にさせてくれます。

インパクトのある味わいなのに後味はクリーン。この感覚を求めてしまうとなかなか代わりのコーヒーが見つからないです。昔からの人気とリピート率の高さにも納得。カフェ系の苦みの強いコーヒーが好きな方にもおすすめです!

※おすすめのフルシティロースト(深煎り)の感想です。

生豆資料

インドネシア、スマトラ島北部のトバ湖南部リントン地区。高品質なスマトラ・マンデリンを生産する地域として有名なリントン地区の中でも特にオナンガンジャン、リントン・ニフタ、ドロク・サングルの3地域は非常に品質が高い反面、この地域独特の特殊な地場市場の関係から、入手が困難な地域でもあります。インドネシアでは、スマトラ式(Gilling Basah)特殊精製を行うことで、独特な外観とカップ品質が有名ですが、特にリントン地区では組合が少なく流通市場が複雑です。順を追って説明しますと、零細農家の手によって収穫された完熟豆は各農家にてドライ・ファーメンテーション(乾燥発酵) が行われ、ミューシレージが除去されたパーチメントを一次乾燥します。この状態のパーチメントをGABAH(水分値約30~40%) と呼びます。農家はこのGABAH を各地域で週に一度開かれる市場に持ち込み、コレクターと呼ばれる集買業者が買い取ります。この際、水分値の非常に高いパーチメントの状態で取引されるため、品質の優劣を外観から判断するのが難しく、⾧年の各農家それぞれの品質の認識、信度、関係性が非常に重要となります。これが外部からの買付けが困難な最大要因です。また、当社が買付けている集買業者は自ら脱穀、2次乾燥し(この状態をLABU と呼びます)、ASALAN と呼ばれる生豆水分値13~15% を比重、スクリーン、ハンドソートなどの選別まで行います。また、各ロット毎に分けて作業を行い、ASALAN の状態を自ら確認できるため、各農家の品質を理解でき、今後のGABAH の買付け時に非常に有利で納得できる裏づけとなります。単に集買業者というよりは精製業者の役割も兼ねています。こちらの“AGE of NOVO True Blue” は、これら選りすぐりの集買業者達から提供するハーブ感溢れる酸味とマイルドなボディ、クリーンな後味が特徴の、希少なスペシャルティコーヒーです。

[商品名] AGE of NOVO インドネシアスマトラ島マンデリンリントントゥルーブルー
[生産地]スマトラ島北部トバ湖南畔ドロクサングル市、リントンニフタ区
[標高]1,200-1,450m
[精製]スマトラ式(ウェットハル、天日乾燥)
[品種]シガラルタン、ジャンバー、オナンガンジャン他
[収穫]10月から12月、3月から4月
[CUP]グレープフルーツ、ハーブ、藁

インドネシアコーヒーについて

種多様なコーヒー大国。

インドネシアのコーヒーの説明は難しい。人口は約2億4000万人、国土は西から東に長く同じ国でも時差が最大3時間ある。10000ほどの大小の島から成る島国。そのコーヒーの栽培も地域により大きく異なり多種多様である。

コーヒーの栽培の歴史はとても古く、イエメン商人の独占支配を崩すべく、1690年頃に宗主国のオランダからジャワ島にアラビカ種が持ち込まれて栽培が始められた。ここで育ったアラビカが、1703年、アムステルダムの植物園を経由してフランスのルイ14世に渡り、アフリカでの植民地での生産につながる。

そしてインドネシアでもその火山の多い肥沃な土壌から、全土の各島々に栽培が広がり、今では世界3位のコーヒー大国。アラビカ種だけでなくロブスタ(カネフォラ種)も栽培される。

アラビカ種は1908年のサビ病の大被害を経て、今では生産の90%が病気に強いロブスタ種へ。特にジャワ島で作られる「ジャワ・ロブ」は独特の苦味で、ブレンドのアクセントの王道として世界中にファンが多い。

生産の少ないアラビカ種ではスマトラ島の「マンデリン」が世界的に評価が高く、その独特の苦味ながらも後から来る甘みで多くのファンを持ち、日本でも特に人気の銘柄である。

スマトラ島の他にも、スラウェシ島の「トラジャ」(日本ではキーコーヒーと現地資本によるトアルコトラジャのブランドで有名)、「カロシ」、バリ島の「キンタ・マーニ」、フローレス島など、各地で素晴らしい品質のコーヒーが生産される。赤道直下で雨季が二回あることから収穫も年2回。

ただ近年、都市部の成熟に伴う農村の縮小や不作により価格も不安定に。2018年現在も日本ではマンデリンやジャワロブの供給は不安定なままである。

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