コーヒー豆レビュー(ブラジル サンマリノ M19)

ブラジル サンマリノ M19

ゆったり大らか。ほっとする味。

地域・農園までは指定されていないのでスペシャルティコーヒーの枠には入りません。ただその分その枠には捕らわれず、本当に良い物だけを各農園から集めて作られたのが「サンマリノ」。
スペシャルティを特徴や癖など尖った部分を感じて楽しむワイルドなフルーツと例えると、サンマリノはひたすら平坦。どこからかじっても同じ味で安心の羊かんみたい。羊かんうまい。

当店販売中のブラジルラランハル農園を商品説明の中では安心の味と表現しましたが、サンマリノを飲んでしまうとラランハル農園はなんだかんだスペシャルティなんだなと感じます。

深煎りでコクと甘味たっぷり。コーヒーを楽しむというよりはとにかくほっとしたい。何も考えずにゆったり。ストレスや緊張を包み込んでふにゃふにゃにしてくれるような大らかな香りと味わいです。

生豆資料

真赤に完熟したチェリーをそのまま樹上で熟成させる独特の栽培方法。樹上でゆっくりと乾燥されるうちに甘みが凝縮されていきます。
様々な農園よりサンプルを取り寄せ、その年のベストクロップを選択。精製工程は収穫後未熟豆や欠点豆を取り除くために水で洗浄し、熟成豆だけを取り出し乾燥させます。
そしてその中からスクリーン#19の大粒で、太陽の光をいっぱい含んだ、香り高く、甘味・コクのあるグルメコーヒー「サンマリノ」が産まれます。ドライフルーツのような濃厚な甘味が特徴です。

[生産国] ブラジル
[地域] モジアナ、セラード、スルデミナス地区など
[品種] カツアイ、ムンドノーボなど
[高度] 600m~1000m
[精製] ナチュラル、天日乾燥
[収穫時期] 6月~10月
[カップ評価] Passion fruit, Sweet.

ブラジルについて

広大な大地、機械化が支える、世界一の珈琲生産国

世界一の珈琲豆生産量を誇る国、ブラジル。世界シェアの3割、ダントツの1位、2位のヴェトナムの18%とは圧倒的な差。主な地域はサンパウロ州、ミナスジェライス州、バイーア州など。サンパウロ州セラードなどでは収穫や精製が機械化された大規模農家も多く、その数はおよそ30万。これらが世界一の生産量の安定した品質の礎をなしている。

その規格は、No.1からNo.8までの等級に分かれる。ただ、自然の農作物で欠点が全くないことはなく、その基準の厳しさからブラジルの規格に「No.1」は存在しない。「No.2」が事実上の最高ランク。スクリーンサイズは最大の20から13までに分別される。これらの基準はブラジル式と呼ばれ世界基準のひとつ。それは近年に生まれてきたもう一つの世界基準、スペシャルティコーヒー協会のCQIカッピング基準とはやや異なり、欠点が少ないのを良しとし、短所が少ないことを重んじる。反してアメリカ式のCQIでは特徴のある風味、長所が明確なことを尊ぶ。

その味わいは欠点を嫌うブラジルらしくクセが少なくコクがある。定番ともいえる。そして何より広大な大地で機械化に成功し大量に採れる。欠点が少ない高品質なもを安く入手できることが最も世界から愛される理由だろう。もちろん日本でもストレートコーヒーからブレンドコーヒーの基本ベースまで幅広く使われ、多くのファンを持つ。世界のコーヒー市場を支える王国であり、毎年のブラジルの収穫量がコーヒーの市場価格に与える影響はとてつもなく大きい。

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