人の体は同じ姿勢が続けばその形で固まっていきます。猫背もそうです。背中を丸めている時間が長いので丸まって固まります。そんなこと分かってて注意してるとおっしゃる方も多いと思いますが、結構ご自身が思っている猫背の原因と注意のしかたが実際とズレてしまっている場合が多く見受けられます。今回はそのズレてる中でも比較的多い状況について解説していきます。
まず今回は下のようなあからさまに猫背にしてるから猫背になっているような状況は割愛させていただきます。

背中を丸めてるつもりはないのに丸まってしまう代表はこちらです。

腰の位置が前になっています。お腹を突き出すような姿勢です。この姿勢は本当によく見られます。腰に寄っかかるような感覚があるので実際に楽であったり、また「良い姿勢=背中を反る」みたいな意識のある方はあえてこの姿勢になっていく傾向もあります。良かれと思っているのにどんどん背中が丸まります。
腰が前に出るとなぜ猫背になってしまうのか。上の図でほとんど答えが出てしまっていますが、立つためにバランスをとる必要があるからです。腰が前の状態で、その上に背中や頭が真上に重なっていては体が前方に倒れてしまいます。前に移動した分、背中が後ろです。ただこれではまだ猫背になりません。最後に頭が前。しっかり猫背ができあがります。顔を前に向けないと前が見えません。

このような方は立てば猫背になるので、いくら背中を伸ばすストレッチをしても猫背は良くなりません。立ち方を変えるのが先決です。といっても一生懸命練習して完璧な良い姿勢を手に入れるということではなく、単純に今までより腰の位置を後ろに下げる。それだけです。それだけで背中はバランスをとるために丸くなる必要がなくなります。この習慣ができてからのストレッチや運動はとても有効です。丸みを直そうと背中を反らせると腰が余計に前に出るので逆効果です。

ご自身の体の状況を理解して猫背の対策をできるといいですね。立ちションの格好で立っている男子、立ち姿勢で顔だけ前に出てしまうような方は注意です。